結論

AI画像は使えます。ただし「どこにでも使える」わけではありません。

判断は次の2つに分かれます。

  • 中身が事実かどうか — 実績・事例・スタッフ・利用者の写真は、AIで作った時点で嘘になります。ここは実写しかありません
  • 見た人にどう伝わるか — 「AIで作ったな」と分かる画像は、それだけで距離を生みます。コミュニケーションが主体の場ほど不利になります

そのうえで、商用利用の可否・著作権・開示という3つの線引きがあります。順に整理します。

前提: 「AIっぽさ」は見抜かれている

Googleで「AI 生成画像」と入力すると、サジェストに「気持ち悪い」「見分け方」が並びます。読者はAI画像を見分けようとしていて、見分けたうえで距離を取っています。

これは新しい現象ではありません。ストックフォトが普及したときも、同じことが起きました。「どこかで見た素材写真」は、それが素材だと分かった瞬間に、書き手との距離をつくります。

理由は単純で、人は自分と身近な人・身近なものに反応するためです。AI画像に写っている人物は、誰でもない人です。誰でもない人の写真は、身近さを持ちません。

使ってよい場面・実写しかない場面

用途AI画像理由
図解・概念図・手順の可視化使える実物が存在しない。伝わることが目的
記事のアイキャッチ・背景・装飾使える事実を示していない
イメージイラスト(人物が特定されない)使えるただし多用すると「AIっぽさ」が出る
店内・外観・設備実写のみ実物がある。違えば来店時に分かる
スタッフ・施術者・担当者実写のみ実在の人物を示すため
施工事例・実績・ビフォーアフター実写のみ事実の提示。AIは優良誤認になる
お客様の声・利用者の写真実写のみ実在しない体験の提示は不当表示

判断の軸は「そこに実物が存在するか」です。存在するものをAIで描くと、見抜かれたときに嘘になります。

線引き1: 商用利用できるかは「ツールの規約」で決まる

「AI画像は商用利用できるか」に一律の答えはありません。使ったツールの利用規約で決まります。

同じAI画像でも、サービスによって次が違います。

  • 商用利用が可能か(無料プランでは不可、という場合もある)
  • 生成物の権利が誰に帰属するか
  • 出力した画像をそのまま再配布・販売できるか
  • 実在の人物・ブランド・キャラクターに似た生成が禁止されているか

線引き2: 著作権は「まだ判例がない」状態

文化庁は令和6年3月に「AIと著作権に関する考え方について」を、同年7月に「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」を公表しています(AIと著作権について)。

ここで重要なのは、文化庁自身が公表の背景として、生成AIと著作権の関係に関する判例および裁判例の蓄積がないという現状を挙げている点です。つまり、「これは大丈夫」と断定できる段階ではありません。

断定できない以上、やることは自分でリスクを下げる運用です。

  1. 公開前に類似を確認する。特定の作品・作風・キャラクターに寄った出力になっていないか見る
  2. 既存の作品名・作家名をプロンプトに入れない。似た出力を意図的に狙わない
  3. 似ていたら使わない。判断に迷うものは公開しない

線引き3: 開示が要るのはどこか

サイト全般では義務ではありません。 Googleは「コンテンツがどのように作成されたかについての情報を共有することで、読者にコンテキストを伝えやすくなる」とし、画像メタデータを追加するなどの方法を検討するよう案内しています(生成AIコンテンツのガイダンス)。推奨であって、必須ではありません。

ECは別です。 Google Merchant Center に商品を出す場合、次が必要とされています(AI 生成コンテンツ)。

対象必要なこと
AI生成の画像IPTC の DigitalSourceType TrainedAlgorithmicMedia メタデータを含める
合成要素を含む画像CompositeSynthetic
学習データを使わずアルゴリズムのみで作った画像AlgorithmicMedia
AI生成のタイトルstructured_titledigital_source_type を指定
AI生成の商品説明structured_descriptiondigital_source_type を指定

Merchant Center に出品する場合の要件。生成ツールが埋め込んだメタデータを削除しないことも明記されています。

AI画像を大量に並べるとスパム扱いになる

Googleは、生成AIツールを使ってユーザーにとっての価値を付加することなく大量のページを生成すると、大量生成コンテンツの不正使用に関するスパムポリシー違反になり得る、としています。

これは画像にも当てはまる考え方です。AI画像で水増ししたページを量産すると、ページ単位で評価が下がります。加えてGoogleは、画像の代替テキストを含むメタデータについても正確性・品質・関連性を優先するよう求めています。AI画像を置くなら、altにはその画像が何を示しているかを書いてください。

このメディアでの使い分け

参考までに、アツメカタでの運用を書いておきます。

場所何を使っているか
記事内の図解AI生成のイラスト。概念の説明であり、実物が存在しないため
ロゴ・ファビコンAI生成。ブランドの記号であり、事実の提示ではないため
カテゴリのタイル画像コードで生成した図形
執筆者の写真実写。実在の人物を示すため
出典として示す資料公式サイトの実際のページ(画像化しない)

判断は上の表と同じで、「実物があるかどうか」で分けています。

AIの利用範囲は運営についてに書いています。

使う前の確認項目

AI画像を公開する前に
  • そこに実物が存在しないか(存在するなら実写を使う)
  • 実績・事例・お客様の声・スタッフの画像に使っていない
  • 使ったツールの規約で商用利用が認められている(確認日を記録した)
  • 特定の作品・作家・キャラクターに似た出力になっていない
  • ECに出品する場合、IPTCのメタデータが残っている
  • altに「その画像が何を示しているか」を書いた
  • 同じページにAI画像を並べすぎていない

次にやること

今日できるのは1つです。自社サイトの画像を上から見て、「実物があるはずなのにAI画像・素材写真になっている場所」を探してください。 店内、スタッフ、施工事例。ここが1枚でも差し替われば、ページの信頼は変わります。

そのうえで、実写は撮った分だけそのまま資産になります。店内もスタッフも施工事例も、他社が絶対に用意できない画像です。1枚撮るたびに、AIでは埋められない場所が埋まっていきます。

広告のクリエイティブとサイトの画像をまとめて見直すなら、当社の広告運用(アドキタ)では、どの画像が成果につながっているかを計測したうえで差し替えの優先順位を決めています。