なにが起きるか

店舗や中小企業のサイトでよくある計測設定は、「問い合わせフォームの送信ボタンがクリックされたら generate_lead イベントを送る」というものです。この設定には次の問題があります。

  • 必須項目が空でクリックしても、送信エラーになっても、コンバージョンが1件増える
  • 同じ人が2回クリックすると2件になる
  • スパム送信も1件として数えられる

結果として、GA4や広告管理画面の問い合わせ数が実際の受付件数より多く出ます。広告の自動入札をこの数値で回していると、「クリックはするが送信に至らない人」を集める方向に最適化されることになります。

当社の自社サイト(アドキタ)でも、この設定を2026年7月に作り直しました。この記事はその手順をもとに書いています。

直し方の全体像

やることは次の2つに分けることです。

イベントいつ送るかGA4での扱い
lead_submit_click送信ボタンがクリックされたとき通常のイベント(キーイベントにしない)
generate_leadフォームの送信先から「受付成功」の応答を受け取ったときキーイベント(コンバージョン)

generate_lead はGA4の推奨イベント名で、Google広告等との連携でも標準的に扱われます(GA4 推奨イベント)。キーイベントに設定するのは generate_lead だけにし、クリックは別名で残します(GA4 キーイベント)。

クリックを別イベントで残す理由は、「クリックはあるのに受付完了がない」場合にフォームの不具合を見つけられるためです。

手順

現状の確認から始めて、クリックと受付完了を分け、変更後に数字を突き合わせるまでを5段階で進めます。

1. 現状のイベントがどこで発火しているかを確認する

GA4の「DebugView」またはブラウザの開発者ツールで、送信ボタンを押した直後に generate_lead が送られているかを見ます。必須項目を空にしてクリックしても送られるなら、クリック起点の設定です。

2. クリック側のイベント名を変える

既存の generate_leadlead_submit_click に変更します。GTM(Googleタグマネージャー)を使っている場合はタグのイベント名を、直接 gtag を書いている場合はコードを変更します。

3. 「受付成功」を判定できる場所を作る

ここが実装上の要点です。フォームの送信先(自社サーバー、Googleフォーム、GAS、フォームサービスなど)から成功時にだけ返る応答を受け取り、その時点で generate_lead を送ります。

  • 自社サーバーやAPIへ送っている場合: 成功レスポンス(HTTP 200 と成功フラグ)を受けてから送る
  • サンクスページへ遷移する構成の場合: サンクスページの page_view をキーイベントにしてもよいが、送信失敗時にサンクスページへ進まないことと、URLを直接開いても計測されないこと(例: 送信時のみ付くパラメータで判定)を確認する
  • iframe埋め込みフォームの場合: iframe内の完了を親ページが検知できるか(postMessage 等)を確認する。検知できないなら、iframeの読み込みだけをコンバージョンにしない

当社の実装では、送信先から ok:true を受け取り、かつスパム隔離やフォールバック処理に回されていない場合だけ generate_lead を1回送る形にしました。受付確認が取れない場合は「受付結果をこの画面で確認できません」と表示し、コンバージョンにはしていません。

4. 個人情報をイベントに載せない

イベントのパラメータには、フォームの種類・ページパスなど個人を特定しない情報だけを入れます。氏名・メール・電話番号・本文はGA4に送りません。これはGA4の利用規約上の要件でもあります。

5. 変更前後を比較する

変更後1〜2週間は、lead_submit_clickgenerate_lead の件数、実際にメール等で受け取った問い合わせ数の3つを並べて確認します。generate_lead の件数と実際の受付数が一致していれば設定は正しく動いています。クリックと受付完了に大きな差があるなら、フォームの入力エラーや送信失敗が多いことを示しています。

変更後にやること

確認項目
  • GA4で generate_lead をキーイベントに設定した(クリック側は設定しない)
  • Google広告のコンバージョンを generate_lead のインポートに切り替えた
  • 実際の問い合わせ数と generate_lead の件数を2週間比較した
  • イベントパラメータに氏名・メール・電話番号・本文が含まれていないことを確認した

自社で直すか、依頼するか

GTMを触った経験があり、フォームの送信先を自社で管理しているなら、上の手順で自社対応できます。フォームが外部サービスの埋め込みで成功応答を取れない、広告の自動入札にこの数値を使っている、という場合は、計測の作り直しと広告設定の切り替えを同時に行う必要があります。当社の広告運用(アドキタ)では、運用の前にまずこの計測の確認から入ります。