結論

MEO対策の費用に、公的な統計にもとづく「相場」はありません。各社が公開している価格帯を並べると月額2万〜8万円あたりに集まりますが、この数字は業者側が自社で出しているもので、何が含まれるかは契約ごとに違います。

そのため、見積もりを見るときに判断すべきなのは金額の高い安いではなく、次の3点です。

  • 料金体系のどれか(月額固定/順位連動の成果報酬/初期費用・スポット)
  • 順位で課金されるなら、順位をどこで測るかが書面にあるか
  • Googleが業者側に禁止している行為を、その業者がやっていないか

3つ目が特に重要です。Googleはビジネスプロフィールを代行するサードパーティ向けにポリシーを定めており、違反した場合に停止されうるのは店側のプロフィールとアカウントだからです。

この記事で扱う範囲

Googleビジネスプロフィールの運用を外注するときの費用と、業者の見分け方に絞ります。プロフィールの登録手順や、口コミの集め方そのものは別の記事で扱っています。

「相場」の数字がどこから来ているか

「MEO 費用 相場」で出てくる金額は、ほとんどが業者や比較サイトの記事です。官公庁の調査や業界団体の統計は見つかりません。根拠が書かれているものだけを使うのが安全です。

たとえばPRONIアイミツは、自社に集まった発注データを根拠として次の価格帯を示しています(MEO対策の平均費用と料金相場)。

費目金額
初期費用無料〜5万円程度
月額固定型月額2万〜8万円程度
成果報酬型500〜1,200円程度/日

出典: PRONIアイミツ(2026-08-28確認)。同社の取引データにもとづく金額で、集計方法までは公開されていません

料金体系は3つ。何に対して払うかが違う

比べる軸月額固定型成果報酬型(順位連動)初期費用・スポット
何に対して払うか毎月の作業(投稿・口コミ返信・写真・レポート)指定キーワードで上位に入った日数初期設定・写真撮影などの一度きりの作業
金額が動く要因作業範囲と店舗数上位表示された日数×単価作業内容
確認すべき点作業の内訳と回数が契約書にあるか順位の測定条件が書面にあるか納品物が手元に残るか
向く場合運用を継続的に任せたい特定キーワードの露出だけ買いたい立ち上げだけ手伝ってほしい

同じ「MEO対策 月5万円」でも、課金の条件が違えば別のサービスです

月額固定型で確認するのは、「毎月何をするか」が回数まで書かれているかです。「投稿代行」とだけ書かれた契約は、月1回でも月8回でも履行されたことになります。

成果報酬型は「何位か」の測り方で金額が変わる

順位連動で課金される契約では、順位の測定条件が費用そのものを決めます。Googleはローカル検索結果の順位が次の3つの要因で決まると説明しています(ローカル検索結果のランキングを改善する)。

  • 関連性 — 検索語句とビジネスプロフィールが合致する度合い
  • 距離 — 検索しているユーザーから各ビジネス拠点までの距離
  • 知名度 — ビジネスがどれだけ広く知られているか(リンク数やクチコミ数にもとづく)

つまり、同じキーワードでも、検索した人がどこにいるかで順位は変わります。「3位以内で課金」と書かれていても、店の目の前で測るのか、駅前で測るのか、市の中心で測るのかで結果が変わるということです。

順位連動の契約で書面にあるべき項目
  • 測定するキーワード(何語か、変更できるか)
  • 測定する地点(住所または座標)と、その決め方
  • 測定する端末とログイン状態(個人の履歴が混ざらない条件か)
  • 測定の頻度と、記録が後から見られるか
  • 順位が付かなかった日の扱い

Googleが業者側に課しているルールが、そのまま選定基準になる

MEO業者の良し悪しは感覚で語られがちですが、Googleは代行業者が守るべきことを公式に列挙しています(ビジネス プロフィールのサードパーティ ポリシー)。このリストに反する提案をしてくる相手は、それだけで判断できます

Googleが禁止していること営業の場で現れる形
オーナーの明示的な同意なくプロフィールを申請・管理する「こちらで登録しておきました」と事後報告される(同意は書面またはデジタル形式が必要で、口頭では足りません)
上位掲載の保証「1位を保証します」「上がらなければ無料」
Googleであるかのように装う「Google認定」「Googleサポートチーム」を名乗る
無料のサービスを有料と偽るプロフィールの作成・登録そのものに料金を請求する
費用の通知を怠る管理費用の内訳を書面で示さない
脅迫的な営業「契約しないとプロフィールを失う」と言う
プロフィールと引き換えに金銭を要求する「返してほしければ払え」

同意については、Googleは「口頭による同意は適切とみなされません」と明記しています。書面か、フォームのチェックボックスのような積極的な行動で示す必要があります。さらに、顧客に代わって口コミへ返信するには、別途明示的な承認が必要とされています。返信代行を含む契約なら、その承認を取っているかを確認してください。

料金については、Googleは業者側に通知義務を課しています。管理費用を請求するサードパーティは、管理サービスが有料であることと、ビジネスプロフィールそのものは追加料金のないツールであることを顧客に伝える必要があります。「プロフィールの登録料」として請求されているものがあれば、そこは本来無料です。

「1位保証」は景品表示法の側からも危ない

順位や効果を保証する表示は、Googleのポリシーだけの問題ではありません。消費者庁は、実際のものより著しく優良だと示す表示を優良誤認表示として禁止しており、不実証広告規制によって、効果・性能の表示は裏付け資料の提出を求められます。提出できない場合、その表示は措置命令との関係で不当表示とみなされます(表示規制の概要)。

Googleが順位を保証していない以上、業者が出せる合理的な根拠はありません。保証をうたえる立場の会社は存在しない、と考えて差し支えありません。

口コミを増やす提案には線がある

MEOの見積もりには、口コミ獲得の支援が含まれることがよくあります。ここで、代行して口コミを投稿する・知人に依頼して書いてもらう・特典と引き換えに依頼する、といった内容が入っている場合は要注意です。来店していない人による投稿や、報酬を受けて書かれた投稿はGoogleのポリシー違反で、削除の対象になります。事業者が依頼したことを伏せた投稿は、2023年10月からステルスマーケティング規制の対象でもあります。

依頼してよい範囲は口コミをお願いしてよい範囲にまとめました。見積もりの中に線を越えた提案があれば、その項目だけ外してもらってください。

払った費用が見合っているかを確認する

Googleは、業者に依頼している場合の評価方法まで案内しています。「ぜひ月に1度はお客様のビジネス プロフィールの成果を確認し、サポートを依頼しているサードパーティの実績を評価してください」とあり、加えて一度に1社ずつ試すことを勧めています(Googleサービスに表示できるビジネスリスティングは1つに限られるため、複数社を同時に試すことはできません)。

確認する数字は、順位ではなくプロフィールのパフォーマンスです。

  1. ビジネスプロフィールのパフォーマンス画面を開く
  2. 表示回数(検索・マップ別) を前月と比べる
  3. 電話・ルート案内・ウェブサイトのクリックを前月と比べる
  4. 増えた月・減った月に、業者が何をしたかを突き合わせる

順位が上がっても電話が増えていないなら、キーワードの選び方が来店動機とずれています。逆に順位が横ばいでも電話が増えているなら、口コミや写真が効いています。サイト側での問い合わせまで追う場合の考え方はクリックとコンバージョンの違いで扱っています。

自分でやる場合との比べ方

外注費と比べる相手は、自分でやったときの作業時間です。口コミへの返信、写真の追加、投稿、営業時間の更新を続けると、店舗ごとに月数時間かかります。時給換算すれば、月額の下限帯とそれほど変わらない金額になります。

分かれ目は、その作業を続けられるかどうかです。Googleは知名度の要因としてクチコミ数を挙げており、返信も投稿も、続けた分だけプロフィールに積み上がります。逆に3か月で止まると、それまでの分は残っても伸びは止まります。

続ける手段として道具を使うなら、口コミの依頼・返信・投稿をまとめて回すために口コミロボを作りました。返信の下書きと依頼の導線を仕組みにして、店側の作業を毎日数分に寄せるためのものです。運用ごと任せたい場合は、上のチェック項目をそのまま業者への質問リストとして使ってください。

契約書に署名する前に
  • 料金体系が3つのどれか、書面から判別できる
  • 月額に含まれる作業が、内容と回数まで書かれている
  • 順位連動なら、測定キーワード・地点・端末・頻度が書かれている
  • 「上位保証」「Google認定」の表現が使われていない
  • プロフィールの登録そのものに料金がかかっていない
  • 口コミの代行投稿・特典と引き換えの依頼が含まれていない
  • 最低契約期間と解約条件を確認した
  • アカウントの管理権限が自社に残る(オーナー権限を渡していない)
  • 毎月受け取るレポートに、表示回数と電話・ルートの数字が入る

今日やること

見積もりが手元にあるなら、上のチェック項目のうち**「順位の測定条件」と「解約条件」の2つ**を先に確認してください。書かれていなければ、その2点を質問するだけで相手の姿勢が分かります。

まだ外注を検討する前の段階なら、ビジネスプロフィールのパフォーマンス画面を開いて、今月の表示回数と電話の数を控えておくことです。この数字がないと、費用をかけたあとに効果を判断できません。