結論

1通目に読ませたい本文、2通目に短い追伸を続けて送る。この形は今も有効です。長文を読まない層にも短文で用件が届き、読んだ層は1通目で前提ができた状態でリンクを押すためです。

ただし2026年の今は、2つの制約の中で使う必要があります。ひとつは「嘘の追伸は配信そのものを危うくする」こと、もうひとつは「LINEでは通数が単純に倍になる」ことです。この2つを外すと、反応が上がるどころか届かなくなります。

どういう技術か

やることは3つだけです。

  1. 1通目は、読み物として成立する内容を送る。ここで前提をつくる
  2. 2通目は、1通目の直後に、短い追伸として送る。件名も短くする
  3. 2通目の目的はクリック1つに絞る。本文で説明し直さない

2通目が短いのは、クリックしてもらうことだけが目的だからです。逆に1通目をしっかり書くのは、読んだ人に判断材料を渡しておくためです。役割が違うので、長さも違います。

なぜ反応が上がるのか

理由は3つあります。

1. 長文を読まない層に届く

配信を受け取る人は、熱心に読む層と、そうでない層に分かれます。時間が経つほど後者が増えます。長文だけを送り続けると、後者にはまったく届きません。短い2通目は、この層にも用件だけを届けます。

2. 読んだ層は「前提つき」でリンクを押す

1通目を読んだ人は、そのテーマについて理解した状態でリンクをクリックします。何も読んでいない人のクリックより、その後の行動につながりやすくなります。

3. 「追伸」は前提があって初めて成立する

短いメッセージ単体では「なんだこれ」で終わります。前に本文があるからこそ、追伸として読まれます。1通目を手抜きすると、2通目も効きません

越えてはいけない線1: 嘘の追伸

元になった手法では、2通目に「言い忘れていました」と書く例が知られています。実際には計画的に分けているのに、そう書くわけです。これは今はやめたほうがいい、というのが現在の結論です。

Gmailは送信者のガイドラインで、次のように明記しています(メール送信者のガイドライン)。

  • メールのヘッダーとメッセージの内容は正確である必要があり、誤解を招くものや虚偽のものであってはならない
  • 件名・ヘッダー・表示名は、送信者の身元とメッセージの内容を正確に表すものであること
  • 実際には返信や転送ではないのに、件名で「Re:」「Fwd:」を使うことは避ける
  • 表示名に「大至急お願いします」「ラストチャンス」「残り時間わずか(セール)」のような内容を含めない

そして影響は「その1通が怒られる」では済みません。Gmailは迷惑メール率を0.10%未満に保ち、0.30%以上にならないようにすることを求めています。ここを超えると、以後は1通目すら受信トレイに入らなくなります

では2通目に何を書くか

嘘をつかずに追伸として成立させる方法はあります。2通目に、本当に新しい情報を1つ持たせることです。

2通目の中身成立するか書き方
本当に今日が締切成立する「本日23時までです」と事実を書く
1通目に書かなかった条件成立する「対象は◯◯の方だけです」と補足する
届いた質問への回答成立する「同じ質問が来たので補足します」と書く
言い忘れたふり避ける事実でないため。Gmailの要件に触れる
中身のない催促避ける迷惑メール報告につながる

どれも「1通目に書かなかったこと」を2通目に置く形です。書き忘れたふりをする必要はありません。

越えてはいけない線2: LINEでは通数が倍になる

メールと違い、LINEでは連続配信がそのまま費用になります。

LINEヤフーは通数のカウント方法を「メッセージを送った回数 × 送った友だちの数」と公表しています(LINE公式アカウント料金プラン)。つまり2通に分ければ、消費する通数は単純に2倍です。

プラン月額無料メッセージ友だち1,000人に2通配信
コミュニケーション0円200通送れない
ライト5,000円5,000通月2回まで
スタンダード15,000円30,000通月15回まで

料金は2026-08-27時点の公表値(税別)。追加メッセージの単価は配信数によって異なり、2026年10月1日に改定が予定されています。

LINEなら「3吹き出し目」に置く手もある

LINEは1回の配信で最大3吹き出しまで送れます。追伸を3吹き出し目に入れれば、通数は1回分のままです。

ただし、通知は1回しか鳴りません。「時間差でもう一度気付いてもらう」という元の狙いは失われます。使い分けは次のとおりです。

  • 通数を節約したい/内容を分けたいだけ → 3吹き出し目に追伸を置く(1回分)
  • もう一度気付いてほしい/締切が迫っている → 時間を空けて2回配信する(2回分)

メールで連続送信するときの技術的な条件

メールは課金されませんが、届かなくなるリスクがあります。Gmailが示している条件のうち、連続送信に関係するものは次の3つです。

  • 一度に大量のメールを送らず、一定のレートで送る。急に送信量を増やすとレート制限や評価低下につながる
  • 1日5,000件を超えるマーケティングメールにはワンクリック解除が必須List-Unsubscribe ヘッダー)
  • 認証はすべての送信者にSPFまたはDKIM、一括送信者にはSPF・DKIM・DMARCが必要

また、広告・宣伝メールは原則として特定電子メール法の規制対象です。総務省は、SMSや電話番号を使ってアプリでメッセージを送るサービスも対象になるとしています(総務省「迷惑メール対策」)。2通目も広告なら、1通目と同じ義務がかかります。「あ!」の一言だけのメールでも、送信者情報の表示や受信拒否の通知先が必要という点は変わりません。

効果の測り方

開封率で判断しないでください。 Gmailは公式に次のように述べています。

  • Googleは開封率を追跡していない
  • サードパーティが報告した開封率の正確性をGoogleが検証することはできない
  • 開封率の低さは、配信可能性や迷惑メール分類の問題の正確な指標になるとは限らない

見るべきは、次の4つを並べた変化です。

指標どこで見るか見方
クリック数配信ツール・GA42通目の効果が最も出る
申込・問い合わせ数GA4のキーイベントクリックだけ増えていないか
迷惑メール率Postmaster Tools0.30%に近づいたら中止
ブロック率・解除率LINE管理画面・配信ツール連続配信の後に跳ねていないか

2通目を足した週と、足していない週で比べます。クリックだけが増えて申込が増えていないなら、2通目の書き方が煽りに寄っています。

問い合わせ数の測り方そのものがずれていると、この比較は成立しません。計測の作り方は問い合わせ数が水増しされる計測設定を確認してください。

使う場面・使わない場面

  • 使う: 本当に期限がある案内、読ませたい解説と申込導線が重なるとき、久しぶりの配信で読まれにくいとき
  • 使わない: 毎回の定期配信、期限が事実でないとき、1通目を書き切れないとき、リストの迷惑メール率が上がっているとき

送る前の確認項目

2通連続で送る前に
  • 1通目だけで読み物として成立している
  • 2通目に、1通目にない情報が1つある(締切・条件・質問への回答)
  • 「言い忘れた」など、事実でない書き方をしていない
  • 期限を書く場合、その期限を本当に運用する
  • 件名・表示名に煽り文句を入れていない
  • LINEの場合、消費する通数(配信回数×友だち数)を確認した
  • 迷惑メール率・ブロック率を配信後に確認する準備がある

次にやること

効いているのは2通目ではなく1通目です。まずは次の配信で、1通目に書く内容を1つ決めてください。 そこが決まった瞬間から、2通目は短い追伸1行で足ります。

LINEで運用するなら、通数の管理・配信の分割・ブロック率の確認をまとめて置いておけると、配信を出すこと自体に集中できます。当社のラクらくLINEはその形にするために作っています。